3.26.2024

[Specification] Buzz the Fuzz Original Fuzz [Now On Sale]

 
 当ブログ発のオリジナル・ファズですが、早速多くの方からオーダーをいただきました。本当にありがとうございます。想定よりも多くて、このブログで音紹介するとか色々やる間もなくこの事態となることを想定してなかったので、在庫残少となってしまってます。まあ、今後も増産をお願いする予定ではいますので、ブログとしてもしばらくこのファズの紹介を続けるつもりですが、増産はいつどのくらい、っていうのは全く見えない状態です。なのでもし「早く欲しいんだけど」という方がいらっしゃったら早めにご連絡ください。

 いきなり話が飛びますけど、最近このブログでこのファズを撮影した画像の後ろには、いつも古新聞が見えてると思うんですが、これ、1972年のイギリスの音楽新聞紙「MELODY MAKER」なんですよ。実は今回の梱包に際して(箱の中の)緩衝材代わりに、この古新聞をクシャクシャにして使っています(笑)。当方も回路設計者もベタベタの日本人ですけど、ともに1972年のブリティッシュ・ロックにメチャ影響を受けています。アキマさんは言うまでもなくボラン派、俺はボウイ派。違う派閥同士ですが(笑)とても良好な関係とやり取りの上に、このファズを作りましたよっていう話でした。

 さて。出荷されるこのファズの箱の中には、画像にあるような些細なマニュアルのようなものが折りたたんで入っています。基本的な使い方はここに色々書いてあるので、まあなんとなく購入された方がそれを参考にしていただければとは思うんですが、以下にそのマニュアルに記載した文章を転載しようと思いますので、どんなファズなのか知りたい、という方にも参照していただければ幸いです。



 このファズは1960年代にイギリスのMULLARD社で製造されたゲルマニウム・トランジスタを3石使用し、2段階式で歪み回路を構成したファズとなっており、コントロール・ノブが3つ、フットスイッチが2つあります。それぞれの効能をご理解いただければ。より幅広いサウンドメイクが可能です。

① インプット・ゲイン・コントロール パッシブのボリューム・コントロールです。入力された信号は一番最初にここを通ります(これ、後ほど改めて詳細を書きます)。

② ファズ・ゲイン・コントロール 歪み量をコントロールします。ただし、全体の歪みはここだけでなく①インプット・ゲインの設定でも可変しますので、その組み合わせで歪みを調整してください。

③ マスター・ボリューム 本体の出力ボリュームを調整します(かなり大きな出力が可能となっているため、ゲルマ・ブースター的にアンプをプッシュするという使い方も可能になります)。

④ インプット切り替えスイッチ ①のつまみ(インプット・ゲイン・コントロール)を使うか、もしくはバイパスするかの切り替えを行います。

⑤ ON/OFFスイッチ このファズのスイッチはトゥルー・バイパス式となっています。オフにすると一切の回路を通過せず、入力と同じ信号が出力されます。

●電源は9V乾電池のみ。ACアダプターには対応していません。電池の持ちを長くするためにも、使用しない時はインプット・ケーブルを必ず抜いてください。

●LEDインジケーター(ランプ)は一切ついておりません。全てあなたの耳で判断してください。

●内部に小さなトリムポットが3つあります。このうち2つはバイアス調整を、真ん中のひとつは内部の初段ファズ回路から2段目のファズ回路へ送られる信号量を調整するものですが、個々のペダルごとに最適値に設定して出荷しています。トリムポットはその大きさや構造から、極めて破損しやすいパーツです。内部トリムポットを回したい場合は自己責任でお願いします。

●上記したように、インプット・ゲイン・コントロールはパッシブ回路で行なっているため、パッシブのピックアップの使用を強く推奨します。またインプット・ゲインの可変によるサウンドの変化(クリーン〜クランチ〜激歪み)を生かすためには、このファズはギターの直後=シグナルチェーンの最初にセッティングしてください。

●ゲルマニウム・トランジスタの接地や動作安定のために、回路基板は樹脂でコーティングしています。決して剥がしたりしないでください。



 マニュアルの文章はもうちょっと続くんですが(続きはこのファズの使い方みたいな内容)、それは次回に回すとして、先に3つほど余談を。

 内部のトリムポットなんですが、上でも書いた様に壊れやすいパーツなので、基本触らない方がいいと思いますし、何度もグリグリしない方がいいと思います。一応出荷直前に当方が音出ししてここを微調整してます。概ねすべてのペダルで同じような音が出るようにしてから出荷してるんですが、とても寒い地域・季節であるとか、好みの設定をもっと追い詰めたいという場合はやはりオーナーさん自身で触らざるをえない、とは思います。わかりやすいのは真ん中のトリムポットで、あげれば歪みは増すけど、ノイズも増えます。下げるとノイズは減りますがブチブチと(ゲートがかかったように)なりやすくなります。

 オンオフが視認できるLEDがあったほうが便利だということは承知しています。しかし、LEDを採用すると、ファズ回路よりもLEDの方が大量に(何倍も)電力を消費するんですよね。LEDを諦めることで、電池は圧倒的に長持ちします(使い方によるんですが、普通に使う分ならマンガン電池で数ヶ月は持つと思います)。その点も、クラシックな考え方を採用してみました。上の方で「全てあなたの耳で判断してください」とか生意気なことを書いて申し訳ないです(笑)。でもまあ結局耳に勝るものはないよ、と。

 また、ACアダプターに対応した方が便利だとも知ってますが、古いPNP回路でアダプターを使用する際にはコンバーター・チップというICパーツが必要になります。原理的にはこのチップで音は変わらないはずなんですが、実はこれを採用すると「やはり音は違う」ということを体験的に知っています。シンプルな回路のファズなので、今回は電源もシンプルにしてみました。手間がかかるかもしれませんが、それを含めて愛でていただければ幸いです。

 せっかくなんで今さっと新しい動画撮って数10秒でも音をアップしようか、と思ったんですが、只今深夜2時。爆音を出すわけにもいかず(もちろんこのファズはすごく小さな音でも歪んだ音で使えます。でも、それだと動画撮影しても弦の生音とスリッパの擦れる音ばかり聴こえるような無駄なものになりそうなので)今晩はやめときます(笑)。次回の更新もお楽しみに。(この項続く)



 このファズの販売は、当ブログを通じてのみとなります。直販価格は50000円(税込)となります。発送はヤマトの着払いを利用します。もしご希望の方がいらっしゃれば、こちらまで直接メールにてお問い合わせいただければと思います(ただし勝手ながら匿名でのメール/ご質問には基本的にお答えしていません。お名前の記載をよろしくお願いします。

 また、このファズの保証に関して。以下をご理解ください。
●「手作り」=文字通り全てハンドメイドで製作されたペダルです。出荷当初から個々に微細な傷等がついている場合もありますが、外観に関しては一切のクレームを承れません。ご理解願います。
●全て正常に動作することを出荷直前に確認してから発送していますが、上記の通り、古い時代のゲルマニウム・トランジスタを用いた回路であり、1つ1つを手作業で選別・設定して製作されていますので、サウンドに個体差が生じる場合があります。この点に関しても一切のクレームを承れません。ご理解願います。
●到着後、製品上の不良等トラブルがあった場合は対処します。直接こちらまでご連絡ください。なお、修理保証は「出荷先のお名前」と「シリアルナンバー」が一致したもののみ承ります。転売されたものや他者経由での修理依頼はお断りさせていただきます。この点ご了承ください。